経営状況分析(Y点)とは?8つの指標と申請の流れをやさしく解説

経営状況分析(Y点)とは?8つの指標と申請の流れをやさしく解説 経審
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経営事項審査(経審)の総合評定値(P点)のうち、2割を占めるのが「経営状況分析(Y点)」です。決算書の数字から会社の財務状態を点数化するもので、完成工事高(X1)のように工事の規模で決まる点数とは性格が異なります。

Y点でつまずきやすいのは、点数の中身よりも「どこに・どうやって申請するのか」です。Y点の分析は都道府県ではなく、国土交通大臣の登録を受けた「登録経営状況分析機関」に申請します。この記事では、Y点の位置づけ、点数を決める8つの指標、申請の流れと実務上の注意点を整理します。

経営状況分析(Y点)とは──P点の中での位置づけ

経審のP点は、次の5つの要素を組み合わせて計算されます。

P = 0.25×X1(完成工事高)+ 0.15×X2(自己資本額・平均利益額)+ 0.20×Y(経営状況)+ 0.25×Z(技術力)+ 0.15×W(社会性等)

Y点はこのうち20%のウェイトを持ちます。決算内容が良くなればP点を押し上げ、悪化すれば引き下げる──「会社の財務の健康診断」がそのまま点数になるイメージです。

P点全体の構成は経審の点数(評点)の仕組み、P点そのものの解説はP点(総合評定値)とはもあわせてご覧ください。

Y点を決める8つの指標

Y点は、決算書から算出される次の8つの財務指標をもとに計算されます。それぞれ「数値が高い(低い)ほど良い」という方向があります。

区分 指標 見ているもの・改善の方向
負債抵抗力 純支払利息比率 売上高に対する利息負担。低いほど良い
負債回転期間 負債を売上の何か月分抱えているか。短いほど良い
収益性・効率性 総資本売上総利益率 資本をどれだけ効率よく粗利に変えているか。高いほど良い
売上高経常利益率 本業+財務活動を含めた利益率。高いほど良い
財務健全性 自己資本対固定資産比率 固定資産を自己資本でどれだけ賄えているか。高いほど良い
自己資本比率 総資本に占める自己資本の割合。高いほど良い
絶対的力量 営業キャッシュ・フロー(絶対額) 本業で稼ぐ現金の規模。大きいほど良い
利益剰余金(絶対額) 過去からの利益の蓄積。大きいほど良い

8指標を所定の係数で合成した「経営状況点数(A)」から、Y = 167.3 × A + 583 という式でY点が算出されます。Y点はおおむね0〜1,595点の範囲に収まり、業界の平均的な水準は700点前後とされています。

どの数字が決算書のどこに対応するかは、経審で見られる決算書のポイントで解説しています。

申請先は「登録経営状況分析機関」──都道府県ではありません

Y点の分析は、許可行政庁(都道府県や国)ではなく、国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関が行います。国土交通省の一覧(当サイト確認日: 2026-06-11)によると、登録機関は全国に10機関あります(令和7年1月現在)。代表的な機関として、登録番号1の一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)などがあります。

どの機関に申請するかは申請者が自由に選べます。会社の所在地による地域制限はありません。手数料や受付方法(郵送・電子申請)は機関ごとに異なるため、各機関のウェブサイトで最新の案内を確認してください。

申請の流れと実務の注意点

大まかな流れは次のとおりです。

① 決算確定後、建設業法の様式に沿った財務諸表を準備 → ② 選んだ登録経営状況分析機関に分析を申請 → ③ 経営状況分析結果通知書を受け取る → ④ その通知書を添えて、許可行政庁に経審(経営規模等評価・総合評定値)を申請

実務では次の点に注意が必要です。

消費税の課税事業者は税抜金額での申請が必要とされています(経審を申請する場合)。税込で作った決算書類のままでは手戻りの原因になります。

・初めて申請する場合に必要な決算期数や、2期目以降の簡略化の扱いは機関ごとに案内が異なります。申請前に利用する機関の案内で確認してください。

・経審は審査基準日(直前の決算日)を起点に進むため、決算変更届の準備と並行してY点の分析申請を進めると、全体のスケジュールが組みやすくなります。

Y点はどのくらい動かせるのか

Y点のもとになるのは決算の実績値なので、短期間で大きく動かすことは難しい項目です。一方で、借入の圧縮や利益剰余金の積み上げといった財務体質の改善は、翌期以降のY点にじわじわ効いてきます。

「Y点が50点上がるとP点がどれだけ変わるか」は、P点の式(0.20Y)から逆算できます。当サイトの経審戦略シミュレーターでは、Y点を含む各要素を入力してP点を試算できるほか、Y点の感応度(Y点の変化がP点に与える影響)も確認できます。

つまずきやすい点

「県庁にY点の申請をしてしまう」──Y点の分析は登録経営状況分析機関の仕事です。許可行政庁に申請するのは、結果通知書を受け取った後の経審本体です。

「Y点だけ取れば公共工事に参加できると思ってしまう」──Y点は経審の一部です。経審全体の流れは経営事項審査(経審)とはをご覧ください。

「令和8年7月施行の改正を見落とす」──経審は令和8年2月6日公布・同年7月1日施行の改正が予定されています。審査基準日によって適用される基準が変わる可能性があるため、最新の取り扱いは国土交通省・許可行政庁の案内で確認してください。

まとめ

経営状況分析(Y点)はP点の2割を占める財務の評価で、申請先は都道府県ではなく登録経営状況分析機関(全国10機関・自由選択)です。8つの指標はいずれも決算の中身を映すもので、日々の財務改善が翌期以降の点数につながります。

ご自身のY点が手元にある方は、シミュレーターのY欄に入れてP点全体を確認してみてください。

P点を試算できるツールを公開しています
経営事項審査の総合評定値(P点)を、結果通知書の数値から逆算する方式と、決算情報などから推定する方式の2通りで試算できます。令和8年7月1日施行の新基準(告示262号)にも審査基準日に応じて対応しています。
→ 経審戦略シミュレーター(無料・登録不要)
※試算結果は参考値です。正式な評点は審査行政庁の通知をご確認ください。

出典: 国土交通省「登録経営状況分析機関一覧」「経営事項審査」(当サイト確認日: 2026-06-11)。本記事は制度の一般的な解説であり、個別の点数・可否を保証するものではありません。評点の計算は審査行政庁により端数処理等の運用差があります。最新・正式な情報は国土交通省および各許可行政庁・各登録経営状況分析機関の案内をご確認ください。

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