社会性等(W点)の全項目一覧──加点しやすい順にやさしく解説

社会性等(W点)の全項目一覧──加点しやすい順にやさしく解説 経審
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経営事項審査(経審)のP点を構成する5要素のうち、「経営努力で動かせる項目」が最も多いのが「社会性等(W点)」です。完成工事高や決算数値と違い、共済への加入や認定の取得など、意思決定と手続きで加点できる項目が並んでいます。

一方で、W点は令和8年7月施行の改正で最も変更が多い分野でもあります。この記事では、現行のW点の全体像を「加点しやすい順」に整理し、新基準で変わるポイントにも触れます。

W点とは──P点の中での位置づけと計算式

P点は次の式で計算されます。

P = 0.25×X1(完成工事高)+ 0.15×X2(自己資本額・平均利益額)+ 0.20×Y(経営状況)+ 0.25×Z(技術力)+ 0.15×W(社会性等)

W点の評点は、各項目の点数を合計し、W評点 = W項目合計 × 1,750 ÷ 200(端数切捨て)で換算されます。つまり項目合計の1点は、W評点の約8.75点に相当します。マイナス項目があるため、合計次第ではW評点がマイナスになることもあります。

P点全体の構成は経審の点数(評点)の仕組みを、各要素の概要はP点(総合評定値)とはをご覧ください。

加点項目の一覧(現行基準)

項目 点数 ひとこと
建設業退職金共済(建退共)への加入 +15 加入と履行で加点。詳細は建退共と経審の点数
退職一時金制度または企業年金制度の導入 +15 中退共等の導入で対象になり得る
法定外労働災害補償制度への加入 +15 上乗せ労災。団体の制度加入も対象
防災協定の締結(団体経由含む) +20 単一項目では最大級の加点
CCUS(建設キャリアアップシステム)の活用 最大+15 全公共工事で実施+10/民間含む全工事で実施+15
CPD等の取組(技術者の継続教育) 0〜+10 取組状況に応じて段階評価
ワーク・ライフ・バランス認定 最大+5 えるぼし(+2〜+4)・プラチナえるぼし(+5)・くるみん系(+3〜+5)・ユースエール(+4)。最も高い認定で評価
若年技術職員の継続的な育成・確保 +1 若手比率の要件あり
新規若年技術職員の育成・確保 +1 新規採用の要件あり
営業年数 最大+60 5年超から1年につき+2、35年で上限
監査の受審 +2〜+20 経理処理の自主確認書類+2/会計参与+10/会計監査人+20
公認会計士・建設業経理士等の数 規模に応じ加点 完成工事高の規模区分ごとの基準で評価(2級登録経理試験合格者は0.4人換算)
研究開発費 規模に応じ加点 会計監査人設置会社のみ・2期平均で評価
建設機械の保有・リース +5〜+15 対象機種1台で+5、台数に応じ15台以上で+15
ISO等の登録 +3〜+10 エコアクション21(+3)・ISO14001(+5)・ISO9001(+5)・両方で最大+10

減点項目──ここを落とすと一気に下がる

項目 点数
雇用保険・健康保険・厚生年金保険の未加入 各−40(3つ未加入なら−120)
民事再生法・会社更生法の適用 −60
法令違反による指示処分 −15
営業停止処分 −30

未加入の減点1つ(−40)は、W評点に換算すると−350点に相当します。加点の積み上げより先に、減点ゼロの確認が最優先です。

加点しやすい順の考え方

共済・保険系の3点セット(建退共・退職金制度・法定外労災=各+15)──加入手続きで取れる定番。3つ揃えば項目合計+45(W評点で約+393)。

防災協定(+20)──自治体や業界団体経由の協定でも対象になり得る、単発最大級の項目。

CCUS(最大+15)──現場運用の整備は必要ですが、改正後も評価が続く分野です。

申告漏れの点検(CPD・若年・機械・経理士)──すでに該当しているのに申請書に載っていない、が意外に多い項目群。

認定・認証系(えるぼし・くるみん・ISO)──取得に時間はかかりますが、採用広報にも効く一石二鳥の投資です。

どの項目から手を付けると効率的かは会社の現状次第です。当サイトの経審戦略シミュレーターでは、W項目をチェックボックスで入力してP点を試算でき、改善シミュレーション機能が「未着手項目のうち効果の大きい順」を自動で一覧表示します。

令和8年7月施行の改正でW点はどう変わるか

令和8年2月6日公布・同年7月1日施行の改正では、W点に複数の変更が予定されています。たとえば、建設技能者の処遇改善に関する自主宣言の新設(+5)CCUS活用の点数の見直し、社会保険未加入の取り扱いの変更などです。

どちらの基準が適用されるかは審査基準日で決まります。シミュレーターは審査基準日を入力すると現行基準・新基準を自動で切り替えて計算します。正式な内容は国土交通省の告示・通知(告示262号ほか)で確認してください。

つまずきやすい点

「加入しただけで安心してしまう」──建退共などは加入に加えて履行(証紙の購入・貼付等)の状況が確認されます。

「単年の申請で全部取りきろうとする」──認定系は取得まで時間がかかります。来期・再来期の経審から逆算して動くのが現実的です。

「Wは小さい項目の集まりだと侮る」──W項目合計の1点はW評点の約8.75点、P点では約1.3点に相当します。+15の項目1つでP点が約20点動く計算です(端数処理により前後します)。

まとめ

W点(社会性等)はP点の15%を占め、5要素の中で唯一「手続きと意思決定」で動かせる項目が揃っています。順番は、減点ゼロの確認→共済・保険系→防災協定→CCUS→申告漏れ点検→認定系。自社の未着手項目と効果の大きさは、シミュレーターで一覧確認できます。経審全体の流れは経営事項審査(経審)とは、技術職員側の評点は技術職員数と元請完成工事高(Z点)もご覧ください。

P点を試算できるツールを公開しています
経営事項審査の総合評定値(P点)を、結果通知書の数値から逆算する方式と、決算情報などから推定する方式の2通りで試算できます。令和8年7月1日施行の新基準(告示262号)にも審査基準日に応じて対応しています。
→ 経審戦略シミュレーター(無料・登録不要)
※試算結果は参考値です。正式な評点は審査行政庁の通知をご確認ください。

出典: 国土交通省「経営事項審査」関係資料(当サイト確認日: 2026-06-11)。本記事は制度の一般的な解説であり、個別の点数・可否を保証するものではありません。評点の計算は審査行政庁により端数処理等の運用差があります。W点の各項目には適用要件・確認資料の定めがあります。最新・正式な情報は国土交通省および各許可行政庁の手引きをご確認ください。

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